最近は、Canvaや生成AIなどを使って、お店のチラシやメニューを自分で作る方も増えてきました。
完成したデータを通販印刷に送れば、数日後にはきれいな印刷物が届きます。価格も安く、小さなお店にはとても便利なサービスです。
ただ、ひとつ知っておいてほしいことがあります。
印刷には事故がつきものです。
もちろん、頻繁に起きるわけではありません。それでも、データの間違いや印刷工程のトラブルによって、せっかく作った印刷物が使えなくなることがあります。
そんなとき、誰が責任を持ち、どう対応してもらえるのでしょうか。
自分で作ったデータに間違いがあった場合
例えば、飲食店のチラシを自分で作り、通販印刷に注文したとします。
届いたチラシを確認すると、営業時間が間違っていた。電話番号の数字がひとつ違っていた。商品の価格が古いままだった。
このような場合、基本的にはデータを作成した側の責任になります。
通販印刷会社は、基本的に文字の間違いをチェックしてくれません。
印刷会社が行う「データチェック」は、主に印刷に適したデータになっているかを確認するものです。誤字脱字や電話番号、住所、日付、金額など、内容が正しいかどうかを確認する校正とは違います。
そのため、データに間違いがあっても、そのまま印刷されることがあります。
「印刷会社がデータを確認してくれるから安心」と思っていると、思わぬ失敗につながります。
自分のミスだったら、印刷代はどうなる?
印刷が完成してからデータの間違いに気づいた場合、基本的には自分で費用を負担して刷り直すことになります。
印刷会社は、注文されたデータどおりに印刷しているからです。
例えば、5,000枚のチラシを印刷して、電話番号の間違いに気づいたとします。
そのまま配るわけにもいかず、正しいデータを作り直して、もう一度5,000枚を注文することになるかもしれません。
当然、印刷代も余分にかかります。
ただし、印刷会社によっては独自の保証サービスがあり、条件によって再印刷などの対象になる場合もあります。
また、印刷開始前ならデータの差し替えやキャンセルができる可能性もあるので、間違いに気づいたらすぐに印刷会社へ連絡しましょう。
印刷会社がミスをした場合は?
今度は、入稿したデータには問題がなかった場合です。
例えば、印刷物に大きな汚れがついていたり、印刷位置が大きくずれていたり、指定した用紙と違う紙で仕上がっていたりすることがあります。
折り加工や断裁のミスなどもあります。
このような不具合が印刷会社側の責任によるものと認められれば、通常は無償での再印刷や返金などの対応になります。
ただし、印刷には一定の製造上の誤差があります。わずかな色の違いや断裁のずれなどは、印刷会社の品質基準の範囲内と判断されることもあります。
「思っていた仕上がりと違う」というだけでは、印刷事故として扱われない場合もあるので注意が必要です。
特に色については、パソコンの画面と印刷物では表現方法が違うため、同じ色にならないことがあります。
色にこだわりたい場合は、事前に色校正や試し刷りを検討する方法もあります。
期日のない印刷物なら、刷り直せばいい
印刷会社側のミスであっても、納期に余裕があるものなら、それほど大きな問題にならないこともあります。
例えば、日常的に使うショップカードや、在庫がなくなる前に注文したパンフレットなどです。
印刷会社に不具合を報告し、再印刷してもらえば済む場合も多いでしょう。
もちろん、手間や時間はかかります。それでも、正しいものが届けば目的を果たすことができます。
問題は、使う日が決まっている印刷物です。
期日のある印刷物で事故が起きたら、これが最悪
例えば、土曜日に開催するイベントのチラシを注文したとします。
水曜日に届いたチラシを確認すると、印刷会社側のミスで使えない状態だった。
すぐに連絡し、印刷会社もミスを認めてくれました。
「至急、刷り直します」
そう言ってもらえても、土曜日までに届かなければ意味がありません。
印刷代を返金してもらったところで、イベントの日は待ってくれないのです。
周年祭の案内、開店のお知らせ、イベント当日のプログラムなど、期日を過ぎれば使えなくなる印刷物はたくさんあります。
お金は返ってきても、時間は返ってきません。
しかも、事故の状況は毎回違います。
別の印刷会社に頼める場合もあれば、近くのお店で少量だけ印刷して間に合わせる方法もあります。しかし、数量や用紙、加工、残された時間によっては、どうしようもない場合もあります。
残念ながら、すべての印刷事故を解決できる方法はありません。
印刷会社のミスでも、すべて補償されるわけではない
ここも知っておきたいところです。
例えば、印刷事故によってイベントの告知ができず、予定していた集客に影響が出たとします。
印刷会社側のミスなのだから、その損失も補償してほしいと思うかもしれません。
しかし、通販印刷では、補償の範囲が印刷代金などに限定されていることがあります。
印刷会社側の不良について再印刷や返金に対応していても、補償には上限が設けられている場合があります。
実際の対応は各社の規約や事故の状況によって異なりますが、印刷会社がミスをしたからといって、発生した損失がすべて補償されるとは限らないのです。
特に、期日のある印刷物では、この点を知っておいた方がよいでしょう。
印刷事故の影響を小さくするために
印刷事故を完全になくすことはできません。それでも、少し気をつけることで、事故が起きた場合の影響を小さくすることはできます。
まず、自分で作ったデータは、入稿前にしっかり確認しておきたいところです。
特に、電話番号、営業時間、価格、日付、住所などは、間違えると困る情報です。
自分で作った文章は、自分では間違いに気づきにくいものです。できれば、家族やスタッフなど、別の人にも確認してもらうと安心です。
また、画面上だけでなく、一度紙に印刷して確認してみるのもおすすめです。画面では気づかなかった間違いが見つかることもあります。
そして、期日が決まっている印刷物は、できるだけ早めに発注することです。
通販印刷には短納期の商品もありますが、納期が短いほど、万一のときに対応できる時間も少なくなります。
届いた印刷物は、できるだけ早く開封して確認しましょう。
万一不具合が見つかった場合は、印刷会社に連絡し、写真や現物を残しておきます。印刷会社によっては、不良品の申告期限が設けられている場合もあります。
通販印刷は便利。だからこそ上手に使いたい
通販印刷は、小さなお店にとって本当に便利なサービスです。
以前なら印刷会社に相談しなければ難しかった印刷物も、今では自分でデータを作り、手頃な価格で注文できるようになりました。
日常的に使うチラシやメニュー、ショップカードなどは、自分で制作することで広告費を抑えられます。
ただし、自分でデータを作るということは、その内容についても自分で責任を持つということです。
そして、印刷会社に任せた後も、事故が起きる可能性はゼロではありません。
大切なイベントで使う印刷物なら、価格だけでなく、納期や再印刷の対応も含めて印刷会社を選びたいものです。
場合によっては、相談しやすい地元の印刷会社に依頼する方法もあります。
安い印刷が悪いわけでも、高い印刷なら絶対に安心というわけでもありません。
印刷物の用途に合わせて、使い分けるのがよいと思います。
まとめ|印刷には事故がつきもの!
自分で作ったデータに間違いがあれば、基本的には自分の責任。印刷会社側のミスなら、再印刷や返金などの対応になります。
ただし、どちらの場合も、期日が決まっている印刷物では取り返しがつかないことがあります。
印刷事故を完全になくすことはできません。だからこそ、自分で防げるミスはできるだけなくし、万一の事故に備えて、納期には余裕を持っておきたいものです。
私は長年、広告や印刷物の制作に関わってきましたが、何年やっても、何回やっても、印刷発注は納品までドキドキします。
データは間違っていないか、印刷は問題なく仕上がるだろうか、予定どおりに届くだろうか。
最後はもう、祈るような気持ちで仕上がりを待っています。


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