以前、奈良の「たまうさぎ」というお店のきなこ団子を、お土産にいただいたことがある。
箱を開けると、小さな団子が串に刺さって、いくつも並んでいた。
その佇まいが、なんともいい。
味は素朴なきなこ団子。特別に変わった材料を使っているわけでも、華やかな飾りがあるわけでもない。それでも、ひと口食べると、またひとつ食べたくなる。
そして何より、小ぶりな団子がたくさん並んでいるのが嬉しい。
大きな団子を一本いただくのとは、少し違う楽しさがある。
伝統の味と、新しい店
調べてみると、たまうさぎの開店は2002年4月。思っていたより新しいお店だった。
店主は、奈良の老舗「だんご庄」で17年間修業した職人さんだという。
長く受け継がれてきた味をもとに、新しい店として歩み始めた。
しかも、商品は基本的にきなこ団子ひとつ。
あれもこれもと品数を増やさないところにも、強さを感じる。
小さなものが並ぶ楽しさ
商品は、味だけで選ばれるわけではない。
大きさ、形、数、包み方。
同じ食べ物でも、そうした違いによって受け取る印象が変わる。
小さな団子が何本も並んでいると、自分だけでなく誰かと分けたくなる。ちょっとした手土産にもいい。
その小ささが、商品の魅力のひとつになっているのだと思う。
売れる理由は、派手さだけではない
最近は、写真映えする大きなスイーツや、色鮮やかな食べ物をよく見かける。
もちろん、それもひとつの方法だ。
でも、たまうさぎの団子を思い出すと、商品を魅力的にする方法はそれだけではないと感じる。
奇抜な形にする必要も、豪華な包装にする必要もない。
昔からある素朴な食べ物でも、大きさや並べ方、名前、店の佇まいまで含めて、印象に残る商品になる。
こういうものに出会うと、やはり商品そのものの力について考えてしまう。
あの小さな団子が並んだ光景を、今でも覚えている。


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